【9月29日 AFP】日本政府は、ミャンマーで反政府デモ制圧を取材中にジャーナリスト長井健司(Kenji Nagai)さん(50)が射殺され死亡した事件について、関係者の処罰をミャンマー政府に求める方針を固めた。29日、新聞各紙が伝えた。

 30日にも外務省の藪中三十二(Mitoji Yabunaka)外務審議官がミャンマー入りし、日本政府の意向を伝えるという。ミャンマーの支援国でもある日本政府は、ミャンマー政府の対応を待ったうえで、経済制裁などの措置も検討する意向だ。

 日本政府は、2003年にアウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)さんの拘束に抗議し、生活基盤整備などの主要な計画に対する新規援助を凍結した。しかし、緊急性が高く、人道的に必要な援助は継続している。

 今回の事態を受け、米国と欧州はミャンマーへの経済制裁を強化する方針を決めており、世界各国にも協力を求めている。中国と並びミャンマーへの影響力を持つ日本は、これまでのところ近隣諸国と同様、制裁ではなく、軍事政権に対して交渉を続けていく姿勢を示している。

 長井さんは、東京にあるAPF通信社の契約記者として、長年紛争地域の取材を続けてきた。27日に始まったデモ隊に対する武力行使開始以来初の外国人犠牲者となった。

 約20年ぶりとなる今回の大規模な弾圧で、少なくとも13人が死亡、数百人が拘束されたとみられ、国際社会からの非難が高まっている。(c)AFP