【9月17日 AFP】国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の武装勢力がイスラム教の断食月「ラマダン(Ramadan)」期間中の新たな攻撃を予告していたイラクで16日、複数の爆発や銃撃戦が発生し、少なくとも22人が死亡した。ラマダンの開始以来、武力衝突などの暴力行為により同国内で死亡した人は49人に上っている。

 首都バグダッド(Baghdad)では、13日のラマダン開始以来、比較的落ち着いた状態が続いていたが、治安当局などの発表によると16日、スンニ(Sunni)派住民が多く暮らすマンスール(Mansour)地区の商店街で自動車爆弾が爆発し、2人が死亡、7人が負傷した。

 その後、現場に駆けつけた治安部隊に対し武装勢力が発砲、銃撃戦で民間人7人が死亡、12人が負傷したという。

 一方、北部のトゥズ(Tuz)では、混雑した喫茶店で自爆テロが発生、大勢ががれきの下敷きになるなどして、現場は大混乱に陥った。現地の病院関係者によると、この爆発で8人が死亡、19人が負傷した。犠牲者は全員男性だという。

 また、警察当局によると、バグダッドから南に約100キロのヒッラ(Hilla)では、交通巡査の男性1人と16歳の息子が武装グループに拉致され、後に2人とも遺体で発見される事件が発生している。

 バグダッドから北に60キロのバクバ(Baquba)では、6歳の少年が狙撃されて死亡した。

 イラク当局の発表に基づきAFPが集計したところによると、16日に発生した一連の事件によって、ラマダンの開始以降イラク全土で殺害された人の数は少なくとも49人に達した。

 アルカイダ系の武装勢力「イラクのイスラム国家(Islamic State of Iraq)」は、ラマダン期間中に新たな攻撃を行うと予告していた。(c)AFP