【9月14日 AFP】パキスタン軍は、12日に始まった反政府勢力との激しい戦闘で、これまでに戦闘員70人以上を殺害した。関係当局が13日、明らかにした。

 パキスタン軍のWaheed Arshad報道官によると、軍は13日未明にかけて、アフガニスタン国境に近い部族地域、北ワジリスタン(North Waziristan)地区のNawaz Kotにある検問所を襲った反政府勢力の戦闘員に対し、武装ヘリコプターを導入して反撃した。地元当局によると、少なくとも戦闘員30人が死亡したが、死者の数は今後増加する可能性があるという。また軍側でも兵士2人が死亡、8人が負傷したもよう。

 戦闘は現在も続いており、パキスタン軍の地上部隊が反政府勢力の拠点に向かって前進しているという。

 この戦闘により、米政府が、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)とアフガニスタンの旧政権タリバン(Taliban)が立て直しを図っているとみている同地区では、ペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領が反政府勢力対策に取り組んでいるにもかかわらず、依然として紛争が続いていることが明確となった。

■訪問中の米国務副長官、ムシャラフ大統領支持を再度表明

一方、現在、ジョン・ネグロポンテ(John Negroponte)米国務副長官が同国を訪問している。

 パキスタン外務省によると、ムシャラフ大統領はイスラマバード(Islamabad)でネグロポンテ副長官と2時間の会談を行い、同副長官に対し「反政府勢力への対策はパキスタンの国益にかかわる。この問題にパキスタン政府が取り組んでいるということは決して疑われるべきではない」と主張した。

 ムシャラフ大統領はまた、アルカイダとの戦闘におけるパキスタンの功績を経済援助の条件とする、米議会で懸案中となっている法案の早期成立を求めた。さらに、パキスタンのテロ対策への取り組みが米国においてさらに理解される必要性があると強調した。

 これに対しネグロポンテ副長官は12日、米政府のムシャラフ大統領への全面支援を再度表明し、パキスタンにおいて米軍が反政府勢力に対して単独で攻撃を行う可能性を否定した。(c)AFP/Hasbanullah Khan