【9月10日 AFP】イラク駐留英軍のJames Bashall司令官が、英デーリー・テレブラフ(The Daily Telegraph)紙に対し、同軍部隊はイラク南部の都市バスラ(Basra)から4月に撤収する予定だったが、米国の依頼により、撤収時期を5か月遅らせたことを明らかにした。

 10日付の同紙に掲載されるインタビュー記事の中でBashall司令官は、「(バスラ市を)4月に退去して完全に権限を移譲する予定だった。そうするのが正しい道だったが、政治がそれを阻み、米国がわれわれに駐留期間の延長を依頼した」と語り、同地での駐留継続は「最高レベルで展開されている政治上の戦略」によって決定されたと付け加えた。

 3日には、バスラ宮殿から英軍部隊約500人が撤収、治安維持権限をイラク側に移譲している。

 4年半にわたる戦闘の末、英軍はバスラ州内に設けた5つの基地のうち4つについてイラク軍部隊への移譲を済ませている。

 現在イラクに駐留している英軍部隊5500人は、バスラ市西郊に位置する空港基地に駐留している。同部隊の人数を約5000人にまで削減する計画が進められており、約250人が今後4週間以内に撤退する予定。

  Bashall司令官の発言を受けて、英国防省は「バスラ宮殿引き渡しの決定は状況に応じた権限移譲の一環で、イラク政府や多国籍軍との協議によるものだった」とする声明を発表した。(c)AFP