【9月9日 AFP】イラクの首都バグダッドにあるシーア(Shiite)派地域サドルシティー(Sadr City)で8日、警察署への攻撃に失敗した自爆テロ犯が爆破物を積載した車両を飲食店脇で爆破し、少なくとも15人が死亡する事件が発生した。

 デビッド・ペトレアス(David Petraeus)イラク駐留多国籍軍司令官が、米軍の「増派」について治安面では進展があったとの見解を示す中で、治安を揺るがす新たな事件が発生する形となった。

 事件現場となったサドルシティーは、シーア派の反米指導者ムクタダ・サドル(Moqtada al-Sadr)師が拠点とする地域。治安当局者の話によると、メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)でAl-Nassar警察署の検問所を突破しようとした男に向かって警察官が発砲、その後、この男が小さな飲食店の脇で同車両を爆発させて、15人が死亡した。警察官4人を含む、少なくとも45人が負傷したという。

 AFPのカメラマンの話によると、爆発が起きたのは現地時間午後6時ごろで、ほかの複数の店舗や民間の車両4台も破壊されたという。

 スンニ(Sunni)派の武装勢力は、たびたびサドルシティーを攻撃対象にしており、今回の爆破事件は、サドル師の命令により6か月間にわたって武装活動を停止している同師派の民兵組織マフディ軍(Mahdi Army)に対する挑発行為とみられている。

 マフディ軍は、宗派間抗争でスンニ派アラブ人を殺害したとして、スンニ派アラブ人の指導者らから非難を浴びていた。(c)AFP/Jay Deshmukh