【9月8日 AFP】(9月8日一部更新、修正)国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のメディア部門アル・サハブ(as-Sahab)は7日、同組織の指導者、ウサマ・ビンラディン(Osama Bin Laden)容疑者が出演するメッセージビデオを公開した。ビンラディン容疑者の新しいビデオ映像が公開されるのは2004年以来となり、ビデオ中の演説では「米国の弱さ」を冷笑している。

 この26分間のビデオは「The Solution(解決策)」との題名が付けられており、米監視機関SITEが入手。また、カタールの衛星テレビ局アルジャジーラ(Al-Jazeera)でも一部が放映され、その中でビンラディン容疑者は「米国はその外見とは裏腹に、実際は弱い」と語っている。

 また米国の対イラク政策における「失敗」について延々と語り、資本主義や企業を非難。ビンラディン容疑者の主張では、企業が「本当の非道なテロリスト」で、腐敗した政府当局者を通じて米国の国益を支配していると主張する。

 さらに、イラク戦争を終わらせるため、自身の支持者に対し戦闘を激化させるよう求め、また戦争終結の方法として2つの解決策を提案している。

「1つ目は殺人と戦闘を激化させ続けることだ。これはわれわれの義務で、われわれの同志はこれを実行してきた。そしてわたしはかれらに不屈の精神と勝利をもたらすようアラーに求めた」

「2つ目は米政府を転覆させることだ。大企業の利益を守るために、人々の利益や、兵士や人民が流した血をどのようにもてあそぶのか。いまや世界全体に対し民主制の無能さは明らかとなっている」

 さらにジョージ・W・ブッシュ米大統領については、「あなたがたはブッシュに大統領1期目の満了を許してしまった。さらには、彼を再び大統領に選出した。これにより彼に明確な権限、つまりイラクとアフガニスタンでわれわれの仲間を殺し続ける権限を与えてしまった」と述べた。

同容疑者が提案する「解決策」では、米国民に対しイスラム教を受け入れるよう要求している。「この世で最も犯しやすく、修正不可能な過ちは、アラーにより頼むことをせず死ぬことだ」と主張した。

 米情報機関の当局者はこのビデオメッセージについて、最近製作されたもので、またビンラディン本人の肉声である可能性が高いとの見解を示している。(c)AFP