【9月7日 AFP】イラク軍が米軍から戦闘職務の引き継ぎができるまで最高であと1年半かかるとする、イラク情勢に関する最新の報告書の内容が6日、明らかになった。

 ジェームズ・ジョーンズ(James Jones)元米海兵隊総司令官が米議会の公聴会で発表する予定のこの報告書によると、イラク軍はこれまである程度進歩してきたが、より一層の改善を示す必要があると指摘している。

 米国はイラク政策において、イラク軍の訓練と整備を主要目標としており、治安維持などの任務を最終的に単独で遂行する能力をイラク軍が備えることを同国の情勢における進展とし、さらに米軍の撤退時期の主要なバロメーターとしている。

 報告書では、「イラク軍および警察はある程度進歩したものの、国内の治安維持に必要な準備と能力の両面でより一層の改善を示す必要がある」とされている。国外からの脅威については、「イラク軍は、通常兵力の脅威に対して国境付近の安全を守るのは難しい」と厳しい評価を下している。

 さらに報告書は、イラク軍、特に陸軍について「国防力の形成に向け、明らかに基礎ができつつある」と評価している。ただし、戦闘支援および戦闘任務の能力が大幅に不足しており、イラク軍は「今後12~18か月は、単独では基本的な治安維持も実行できない」と結論づけている。

 また、イラクの国家警察についても重大な能力不足があると指摘。「国家警察は宗派間対立によってその治安維持能力を損なっている」とし、「現在の状態では存続不可能」との見解を示した。(c)AFP