【9月5日 AFP】米議会の付属機関、政府監査院(Government Accountability OfficeGAO)は4日、イラク情勢に関する報告書を議会に提出し、その中でイラク政府を「機能不全」と厳しい評価を下した。

 GAOのデビッド・ウォーカー(David Walker)院長は報告書を提出後、上院外交委員会の公聴会でイラク政府について「機能不全と言わざるを得ない」と証言した。

 報告書では、今年初めの3万人規模の増派によりイラク国内の治安状況は改善される見通しであるとしながらも、米議会によりイラク政府に対して設定された治安および政治改革に関する18の達成項目のうち、達成されたのはわずか3項目で(他4項目は部分的に達成)、残り11項目が未達成と評価されている。

 GAOの報告書提出に続き、デビッド・ペトレアス(David Petraeus)駐イラク米軍司令官とライアン・クロッカー(Ryan Crocker)駐イラク米大使も議会で証言、またホワイトハウスも報告書を提出する予定となっている。

 民主党はこれまで、幾度となくブッシュ大統領のイラク政策「頓挫」を試み、失敗してきたが、一連のイラク情勢の報告書をもとに、駐イラク米軍撤退に向け再度攻勢をかけると予想される。(c)AFP