【9月4日 AFP】イラク駐留英軍500人が南部のバスラ(Basra)中心部から撤収した件で、ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)英首相は3日、「イラク軍への治安権限移譲が目的だ」と語り、撤収した部隊はバスラ郊外の空港で有事に備えて待機すると強調した。

 ブラウン首相はBBCラジオに対し、「この撤収は計画通りのもの。英国はイラク国民や国連(UN)に要求された国際的義務に対する責任を全うしてきた」と語った。

 専門家は、ブラウン政権下での米英関係の冷却化を指摘する。ブラウン首相は、トニー・ブレア(Tony Blair)前政権とジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領との良好な関係から距離をおこうとしていると見られている。

 一方で国内では、ブラウン首相が10月にも総選挙を行うのではないかとの憶測を呼んでいる。イラク戦争への参加によってブレア前首相が政権を手放すことになったことが、ブラウン首相の政治的な教訓になっている。

 3日に発表された1001人対象の世論調査では、「英国はイラク戦争に勝利している」と答えた人はわずか12%。52%の人々が「イラク戦争には敗北している」と答えている。(c)AFP