【9月2日 AFP】イラク問題に関して対米関係の悪化が伝えられる英国政府が、南部バスラ(Basra)州からの即時撤退を否定して対米関係の改善を試みているなか、イラク侵攻当事の英陸軍司令官が侵攻以降の米国のイラク政策を厳しく非難した。英国の新聞が1日報じた。

 2003年3月の米国主導のイラク侵攻時、英陸軍の司令官だったマイク・ジャクソン将軍(General Sir Mike Jackson)は、米軍の侵攻後のイラク政策について「知性の面で破綻している」とした上で、当時のドナルド・ラムズフェルド(Donald Rumsfeld)米国防長官を「現在のイラク情勢に最も責任を負うべき一人」と名指しした。

 さらに、米国の世界的テロへの取り組み方を、国の再建や外交をないがしろにして軍事力に重きを置きすぎており不適切だと指摘した。

 英国部隊約5500人がイラク治安部隊の訓練にあたっているが、ロンドンのメディアは、即時にイラク部隊に移譲すべきだとの論調で報じている。

 ジャクソン将軍は、侵攻後のイラク占領統治を米国務省に代わって米国防省が主導したことも批判。米国務省の計画は「無駄に終わった」と述べた。

 さらに、サダム・フセイン(Saddam Hussein)独裁政権崩壊後、イラク軍と治安部隊を解体したことについては、「全く先を見越していない」と批判。「イラクの治安部隊は存続させて、多国籍軍の指揮下に置くべきだった」と述べた。

 ジャクソン将軍は2003年3月に米国主導部隊がイラクを侵攻する1か月前に英陸軍の司令官に就任した。(c)AFP/Katherine Haddon