【9月1日 AFP】イスラム原理主義勢力タリバン(Taliban)に韓国人のボランティアグループが拘束されていた事件で、前月30日に人質19人が解放されたことで、韓国政府の対応は国内で好意的に受け止められている一方、解放交渉については、海外からの批判が相次いでいる。

 韓国政府は解放の条件として、アフガニスタン駐留韓国軍の年内撤退と同国内でのキリスト教布教活動の禁止を挙げており、また、身代金を支払ったとの一部報道に関しては強く否定している。

■各国の反応

 アフガニスタンのランジン・ダドファル・スパンタ(Rangeen Dadfar Spanta)外相は、数か月前に決定していた駐留韓国軍の撤退を解放の条件にしたことは、韓国政府がタリバンからの撤退要求を受け入れたかのように見えかねず、「国際社会とアフガニスタン政府は脅迫に屈するとの印象を与えてしまうならば、非常に危険なメッセージを送ったことになる」と独ラジオ局に語った。

 カナダのマキシム・ベルニエ(Maxime Bernier)外相は、「テロリスト」との交渉に応じた韓国政府を非難した。

 ドイツでは、議員らが「タリバンによる同様の手口が続くことになる」として、韓国政府の対応を批判した。韓国人拘束の2日前に拉致されているにドイツ人技術者の救出に関して、アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相は今回の解放で独政府の方針は変わらないと語った。

 米国政府は、今回の解放交渉の評価に関してはコメントを避けているが、タリバンが正当化されることはないとの見解を示している。

 韓国政府は「国際社会の原則と慣習の範囲内で、各国も今回のような人質事件では犯人と直接交渉するはずだ。重要なのは自国民の生命を守ることで、それが国家の義務だ」との見解を示している。(c)AFP