【8月29日 AFP】(一部更新)国連難民高等弁務官事務所(UN High Commissioner for RefugeesUNHCR)の親善大使をつとめる米国人女優のアンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)が28日、シリアとの国境の手前で立ち往生している1200人のイラク難民を訪問し、紛争の影響を受けた人々に対するさらなる国際的支援を訴えた。

 難民が暮らすAl Waleedキャンプを訪れたジョリーは、訪問の理由について「イラクの紛争によって住居を追われた人々の苦境に世界の注目を集め、UNHCRと関連機関へのさらなる支援を要請するため」と語った。また、「イラクの将来に関する協議では、こうした人道危機の解決策を探ることが非常に重要だ」とも語った。

 訪問には、護衛のために多国籍軍の兵士らも付き添った。

 ジョリーは前日27日にシリアに到着し、ダマスカスの国連難民高等弁務官事務所の難民登録センターを訪問した。

 UNHCRによると、現在シリアにいるイラク難民の4分の1は暴力や拷問の犠牲者だという。28日に発表された統計では、推計420万人のイラク難民のうち200万人が隣国に脱出し、220万人が国内で行き場を失っていることが明らかになった。

 7月下旬、UNHCRと国連児童基金(UNICEF)は共同で、15万5000人に上るイラク避難民の子どもに対する支援を要請。2007年度の学校教育費1億2900万ドル(約147億円)の確保を目指している。米国政府は既に、3000万ドル(約34億2000万円)の拠出を申し出た。(c)AFP