【8月25日 AFP】アフガニスタン南部ヘルマンド(Helmand)州で英軍兵士5人が米軍の爆撃で死傷した事件について米政府は25日、タリバンを狙った米軍戦闘機による誤爆だったと認め、調査を開始すると発表した。

 この事件は23日午後、同州Kajakiダム付近で、英軍がイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)との戦闘中、援護の米軍F15戦闘機の爆撃を受け、英兵3人が死亡、2人が負傷した。負傷した2人は現在同州にある英軍基地で本国送還を待っているという。

 国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の支援を受けたタリバンとの戦闘が激化する同地で発生した誤爆事件では最多の犠牲者となった。

 2001年、米同時多発テロ指導者の身柄引き渡しを拒否したアフガニスタンを米軍が攻撃、タリバン政権が崩壊して以来、同国での英軍の死者は73人となった。

 多国籍軍がイスラム教過激派との戦闘を繰り広げるアフガニスタンとイラクでは、誤爆事件が後を絶たない。

 2002年4月には、アフガニスタンで夜間訓練に参加していたカナダ軍兵士4人が米軍戦闘機の爆撃により死亡。

 同月、南部ホースト(Khost)州では、アメリカンフットボールの元スター選手、パット・ティルマン(Pat Tillman)氏が味方の誤射で死亡した。この事件について当初米軍は事実を把握していたにもかかわらずタリバンとの戦闘で死亡したと発表しており、隠ぺいを図ったとして非難を浴びた。(c)AFP