【8月25日 AFP】イスラム教武装組織「ファタハ・イスラム(Fatah al-Islam)の戦闘員がレバノン北部のナハル・アルバレド(Nahr al-Bared)パレスチナ難民キャンプに立てこもっている事件で、レバノン国軍は24日、同戦闘員らの家族を同難民キャンプから避難させた。予想される武装組織への最終攻撃に備えた動きだと考えられる。

 国軍の声明によると、避難したのは25人の女性と38人の子供で、そのうち子供2人が病院に搬送された。また、立てこもっている戦闘員に対して投降し裁判を受けるよう呼びかけたという。

 レバノン国軍はファタハ・イスラムとの一時的停戦に合意し、最後の非戦闘員を難民キャンプの外に避難させた。ベールで全身を覆った女性と子供を満載した軍用バス3台が、数台の救急車とともに難民キャンプから近隣の軍の基地に向かい、そこで女性たちは厳しいセキュリティ下に置かれ、尋問を受けた。

 ファタハ・イスラムと国軍の仲介に関わった聖職者グループの広報担当Sheikh Mohammed Hajj氏によると、避難した人々の中には、ファタハ・イスラムのナンバー2で最近死亡したAbu Hureiraの妻と子供も含まれているという。

 戦闘員の家族が避難したことで、ファタハ・イスラムに対する国軍の最終攻撃が現実味を帯びてきた。ファタハ・イスラム側は投降を拒否し徹底抗戦を宣言している。

 この難民キャンプ立てこもりでは、これまでに兵士142人を含む約200人が死亡している。1975年から1990年まで続いた内戦以来、レバノン国内での騒乱では最悪の死者数となっている。(c)AFP/Rana Moussaoui