【8月24日 AFP】(一部更新)軍事問題に詳しい米共和党のジョン・ウォーナー(John Warner)上院議員は23日、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領に対し、駐イラク米軍の段階的撤退を今年のクリスマスまでに始めるよう求めた。

 イラク視察から戻ったばかりのウォーナー上院議員は、米軍の一部撤退開始は、ヌーリ・マリキ(Nuri al-Maliki)イラク首相や近隣諸国に向けて、米国は際限なくイラク支援を続けるわけではないとアピールする意味を持つ、と指摘。

「軍司令官との協議の上、ブッシュ大統領が9月15日にも一部撤退案を発表し、駐イラク米軍の撤退に向け行動を開始するといいのではないか」と述べ、現在16万2000人いるイラク駐留米軍のうち、5000人ほどを年内に撤退させる考えを示した。

 ただし、一部撤退は「米軍によるイラク支援を中止するということではない。早期撤退も支持しない」とも話し、ブッシュ大統領のイラク政策を支持すると強調した。

■米情報機関の報告書は、直近のイラク情勢に悲観的

 米政府は同日、情報機関がイラク情勢を分析した報告書「国家情報評価(National Intelligence EstimateNIE)」の一部を公表した。

 報告書は、マリキ首相の統率力に疑問を呈し、「政治、治安の両面で基本的な変化がない限り」、イラク各派の政治的協調を実現するのは難しいと予測。今後6か月から1年の間、政局、治安、経済状況はますます不安定になる恐れがあるとして、マリキ政権の今後に悲観的な見通しを示した。(c)AFP