【8月20日 AFP】イラク南部ムサンナ(Muthanna)州の州都サマワ(Samawa)市近郊で20日、通勤中のモハメド・アリ・ハッサン(Mohammed Ali al-Hassani)州知事の車を狙ったとみられる仕掛け爆弾が道路脇で爆発し、同知事が死亡、護衛2人が負傷した。イラクで過去2週間以内に殺害されたイスラム教シーア派(Shiite)の知事は2人目となる。

 サマワ総合病院の警備責任者Zaman Hadi警部補によると、ハッサン知事の車列はサマワ市北隣のルメイサ(Rumaitha)で現地時間午前8時ごろ、爆発に遭った。

 事件後、サマワ市内には通行禁止令が出された。

 イラクでは今月11日にも、ムサンナ州に隣接するカディシヤ(Qadisiyah)州で、同時多発爆弾により知事の車列が狙われ、Khalil Jamil Hamza知事と州都ディワニヤ(Diwaniyah)市の警察署長が殺害されている。

 殺害された両知事ともイラク最大のシーア派宗教政党の1つ、イラク・イスラム最高評議会(Supreme Islamic Council of IraqSIIC)のメンバーだった。同じくシーア派の強硬派指導者ムクタダ・サドル(Moqtada al-Sadr)師派と同党の間では、シーア派内部での抗争が続いている。

 イラクでは2003年の米軍侵攻以来、シーア派とスンニ派(Sunni)による宗派間抗争が続いてきたが、各宗派内部における対立もしばしば抗争に発展してきた。最近数か月は、SIIC傘下の民兵組織バドル旅団(Badr Brigade)と、サドル氏派の民兵組織マハディ軍(Mahdi Army)との抗争が激化しており、サマワでは7月に戦闘が発生していた。(c)AFP