【8月7日 AFP】アフガニスタンで発生した前政権のイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)による韓国人拉致・殺害事件について韓国当局は7日、タリバンとの直接交渉を独自に進めるとの見解をあらためて示した。

 韓国と駐アフガニスタンの当局筋が明らかにしたもの。韓国の通信社聯合ニュース(Yonhap)も同日、アフガニスタン政府の拘束下にあるタリバンの女性メンバーの解放と引き換えに、韓国人の人質女性数人を解放するとの提案がタリバン側からあったと報じている。

 それによれば、タリバンの報道官ユスフ・アフマディ(Yousuf Ahmadi)が電話インタビューの中で、「政府の拘束下にあるタリバンの女性メンバーの正確な人数は把握していない。ただし、政府が彼女たちを解放するならば、われわれが拘束している韓国人女性のうち同じ人数を解放する」と述べたという。

 この報道に先立ち、韓国人女性2人の健康状態が悪化していると報じられたが、韓国の宋旻淳(ソン・ミンスン、Song Min-soon)外交通商相は「拘束からほぼ20日が経過しており、健康状態が万全でないのは当然だろう。ただ、危機的状態にあるという兆候はない」とし、「深刻な容体」との報道を否定している。

 宋外相はさらに、米ワシントンD.C.で行われているジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領とハミド・カルザイ(Hamid Karzai)アフガニスタン大統領による会談の成果に期待するとも語った。ただこの会談では、両大統領はタリバンに対して一切譲歩しないとの姿勢を明らかにしている。(c)AFP