【8月6日 AFP】(一部修正)国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)のメンバーで、国家反逆罪で指名手配中の米国人、アダム・ガダーン(Adam Gadahn、通称Azzam the American)容疑者が5日、ビデオ映像を通じて米国公館や関連施設がテロ攻撃の標的だと語り、アルカイダはこれらの「スパイの潜伏場所」を攻撃すると警告した。

 このビデオ映像は、アルカイダのメディア担当部門「アルサハブ(Al-Sahab)」が制作したもので、米国のテロ組織関連情報ウェブサイトLauraMansfield.comで内容が公開されている。

 ビデオ映像の中では、氏名不詳のナレーターが、攻撃の可能性がある施設として石油資源に恵まれた湾岸アラブ諸国の米国公館を名指ししている。また、ガダーン容疑者は「お前たちがわれわれを国内外で標的にしているのと同様に、われわれは米国内外でお前たちを標的にし続けるだろう。アフガニスタンやイラクへの侵略を計画し、現在も精神面、軍事面、物質面、物流面での支援を続けているスパイの潜伏場所や軍事司令部、コントロールセンターは、われわれの要求を聞き入れない限り、勇敢なイスラム教徒の標的となる」と語っている。同容疑者はさらに「十字軍を阻止し、イスラム教徒への干渉をやめろ」と続ける。

 ガダーン容疑者は2006年10月、国家反逆罪で起訴されている。米国内で同罪による起訴は、第二次世界大戦(World War II)後初めてだった。国家反逆罪は死刑または禁固5年以上の刑に相当する。

 現在パキスタンに潜伏中と見られるガダーン容疑者は、世界的なテロに関与したとして米国が顔写真を公開している26人の1人で、同容疑者の拘束には100万ドル(約1億2000万円)の懸賞金がかけられている。(c)AFP/Lydia Georgi