【8月3日 AFP】アフガニスタンで韓国人ボランティアグループの23人がイスラム原理主義勢力タリバン(Taliban)によって拉致され、その後2人が殺害された事件で、韓国政府は2日、米国に対し人質解放に向けた協力を要請した。また同日、2人目の犠牲者シム・ソンミン(Shim Sung-Min)さんの遺体が、親族や教会関係者の待つ、韓国の仁川(インチョン、Incheon)国際空港に到着した。同事件は発生から3週目に入り、残る人質21人の健康状態も懸念されている。

 韓国の宋旻淳(ソン・ミンスン、Song Min-Soon)外相がフィリピンのマニラ(Manila)で、ジョン・ネグロポンテ(John Negroponte)米国務副長官と会談を行う一方、8人の国会議員が米国のワシントンD.C.(Washington D.C.)に向けて韓国を出発した。

 韓国与党ウリ(Uri)党の張永達(チャン・ヨンダル、Chang Young-Dal)議員は「われわれは米国に行って、誠意をもって協力を要請するつもりだ」と語り、ニコラス・バーンズ(Nicholas Burns)米国務次官などの米政府高官と会談する予定であることを明らかにした。同議員らは、米国政府が、韓国人人質とアフガニスタン政府が拘束中のタリバン兵士の交換を進めることを期待している。韓国政府も「柔軟に」交渉を進めることを求めているが、米国とアフガニスタンの両政府は同様の事件が続くことを懸念して、人質の交換には応じない見込み。

 軍による救出作戦が始まったとの誤報で、人質の家族らの間で緊張が高まったが、宋外相はネグロポンテ副長官との会談後「韓国と米国は、人質救出のための軍事作戦は行わないことで合意している」と述べている。韓国政府関係者と会談したクリストファー・ヒル(Christopher Hill)米国務次官補も、軍事作戦は話題に上っていないと語った。

 タリバンは、軍事作戦は人質を危険にさらすだけだとしている。

 また、この事件に関しては、北朝鮮も、韓国に対し同情の意を示すという異例の行動をとっている。(c)AFP