【8月2日 AFP】アフガニスタンでボランティアグループの韓国人23人が拉致され、2人が殺害された事件で、人質を拘束しているイスラム原理主義勢力タリバン(Taliban)は2日、韓国外交官との直接協議に応じることを承諾した。アフガニスタン当局およびタリバン側が発表した。一方で、韓国側は情報を正式に確認していないとしている。

 現地ガズニ(Ghazni)州のMirajuddin Pattan知事は同日、AFPの取材に対し、「韓国外交官一人が代表としてタリバン側と直接会談し、残る人質21人の解放へ向けた解決策を探る予定だ」と述べた。

 同知事によると、直接協議の要請は韓国側から提示されたもので、タリバン側も承諾。現在、同州当局が会見日時や場所などについて設定しているという。

 タリバンのYousuf Ahmadi報道官によると、会見場所は極秘とし、会見に出席するタリバン側メンバーをすでに選出したという。

 同報道官は「韓国代表団および同政府と連絡を取っており、会見の時期や方法について協議中だ。安全が保証されない恐れがあるため、会見場所を明かすことはできない」と語った。また、「交渉の最終期限が切れた後でも、韓国側の直接協議の準備が整うまで待つ」と述べた。

 タリバン側が最後に提示した1日正午の交渉期限はすでに経過しているが、韓国側との直接協議という「新しい交渉段階」の可能性が出てきたため、新たな人質の殺害は行っていないとAhmadi報道官は強調した。

 人質拘束から2週間以上が経過するなか、韓国政府は人質解放に向け必死の努力を続けてきた。

 タリバン側は、アフガニスタン政府に拘束されている同組織メンバー8人の釈放に同政府が合意しない限り、残る韓国人人質をさらに殺害すると脅迫。しかし、アフガニスタン政府はタリバンメンバーの釈放を拒否していることから、同政府とタリバンとの交渉は暗礁に乗り上げていた。

 同事件では、これまでに韓国人人質のうち男性2人が射殺されている。残る21人の大半が女性で、人質の健康状態の悪化が伝えられている。(c)AFP