【8月2日 AFP】アジア・太平洋地域の安全保障問題を協議する東南アジア諸国連合地域フォーラム(ASEAN Regional ForumARF)が2日、フィリピンの首都マニラ(Manila)で開幕した。

 ASEAN10か国に加え日中韓、欧州連合(EU)、米国、ロシア、インドなど約30の国や地域の外相級閣僚が参加する会合は、アフガニスタンでのイスラム原理主義勢力タリバン(Taliban)による韓国人拉致事件が影を落とす形で始まった。

 事件はアフガニスタンで前月19日、タリバンが韓国人ボランティア23人を誘拐したうえ2人を殺害したもので、タリバンはアフガニスタン政府に拘束されている仲間を少なくとも8人解放しなければ、残りの人質も殺害すると警告している。

 事件について、フィリピンのアルベルト・ロムロ(Alberto Romulo)外相は開会式で「心から遺憾の意」を表明。これに対し、宋旻淳(ソン・ミンスン、Song Min-soon)韓国外交通商相が謝意を述べ、各国に対し継続的な支援を要請した。また、ARFは議会声明として韓国政府への支持を表明し全人質の即時解放を訴えた。

 オーストラリアのアレグザンダー・ダウナー(Alexander Downer)外相は記者団に対し、多数のオーストラリア部隊がアフガニスタンに展開している点を指摘。「可能であれば(人質問題解決への)支援の用意はある」と語った。(c)AFP/Martin Abbugao