【8月1日 AFP】 アフガニスタンのイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)に拉致されたドイツ人男性のビデオ映像が、カタールの衛星テレビ局アル・ジャジーラ(Al-Jazeera)で放映されたことについて、独週刊誌「シュピーゲル(Der Spiegel)」は「数日前に撮影されたものだ」と1日付で報じた。

 アル・ジャジーラが放映した映像では、人質とみられるドイツ人男性(62)が、男数人に銃を突きつけられながら岩に囲まれた空き地のような場所に立っている。この男性はルドルフ・Bという名前のみが判明している。同放送局のニュースによると、男性はドイツと米国に対しアフガニスタンからの軍撤退を求め、そうすれば自分の命は救われると訴えたという。

 ドイツは北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)に参加する形で、約3700人の兵士をアフガニスタンに駐留させている。

 ビデオはコンピュータ用のメモリースティックに記録されて届いたもので、データを分析した結果、前週28日に撮影されたものだと「シュピーゲル」誌は報じた。

 男性は7月18日にアフガニスタン南部で拉致されたドイツ人2人のうちの1人。一緒に拘束された44歳の建築技師の男性は、劣悪な監禁条件に置かれた結果、死亡したとドイツ政府は発表している。

 タリバンは、同時期に拉致したボランティアグループの韓国人23人のうち2人も殺害していることから、ビデオに撮影されたドイツ人男性の生命も危ぶまれている。

 韓国人拉致事件ではタリバン側は、アフガニスタン政府が拘束しているタリバン・メンバーの釈放を人質解放の交換条件にしているが、前日にタリバン側が延長した新たな交渉期限の1日正午(日本時間同日午後4時)を過ぎても、交渉に進展はみられていない。2番目に犠牲となった人質は、2回の交渉期限延長の後、1日に殺害された。

 タリバン側は残る21人について、1日正午以降は「いつでも殺害する可能性がある」と警告している。(c)AFP