【7月28日 AFP】パキスタンの首都イスラマバード(Islamabad)の「赤いモスク(Red Mosque)」付近で27日、警官隊を狙った爆発があり、14人が死亡、70人以上が負傷した。警察当局によれば、犠牲者の半数以上は警察官だった。

 事件は、再開されたばかりの赤いモスクで金曜礼拝に集まったイスラム教武装集団タリバン(Taliban)を支持する神学生らが、再び一時的にモスクを占拠。警官隊と衝突する最中に、モスクから数百メートル離れたイスラマバード有数のマーケットで発生した。

 マーケットで待機していた警官隊を狙って、男が爆破物を爆破させ、自爆したという。爆発の後、モスクを占拠した神学生らは全員警官隊に連行された。

 軍は2週間前、イスラム教急進派勢力や神学生らが立てこもる同モスクを武力制圧。その後、27日に一般の礼拝を再開したばかりだった。

 これまで、パキスタン領内の武装勢力に対し、米国は軍事行動を繰り返し求めてきた。この事件をきっかけに、ペルペズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)パキスタン大統領への米国の圧力は、さらに強まることとなりそうだ。ムシャラフ大統領はこれまでパキスタン領内の過激な思想を一掃すると述べてきた。

 この事件の犯行声明は出ていない。7月3日から11日までの警官隊による赤いモスクへの包囲と突入劇への反発から発生した一連のテロで、犠牲者数はすでに200人以上にのぼっている。(c)AFP