【7月27日 AFP】パキスタンの首都イスラマバード(Islamabad)で27日、イスラム教急進派や武装した神学生らによる立てこもり事件が発生した「赤いモスク」が、金曜礼拝のため再開された。政府が同モスクに派遣した新指導者は、神学生らに追い返された。

 モスク再開にあたり、パキスタン政府は同モスクの新指導者にImam Mohammad Ashfaq師を任命。当日は厳重な警戒態勢で臨んだ。治安部隊と武装学生らとの戦闘で激しく損傷したモスクの外観はピンクと薄茶色に塗り直され、壁の銃痕なども塗り固められた。

 しかし、礼拝に集まった神学生数百人らは、Ashfaq師の受け入れを拒否。治安当局に連行された指導者Abdul Aziz師の釈放を求めた。また、立てこもり事件での治安部隊の強行突入に抗議し、ペルペズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領を非難するスローガンを叫んだ。

 学生らがモスクの尖塔に登り、イスラム聖戦を象徴する旗を振る様子は、2週間前に同モスクで起きた「籠城事件」を彷彿とさせた。

 現地のAFP記者によると、学生らの抗議が激化し始めたため、警官隊はモスク内から引き上げ、装甲車が付近で待機した。神学生らはAshfaq師が説教する予定だった演壇を占拠し、2週間前の政府の強行突入に対する抗議演説を始めた。

 また、警察の護衛とともにモスクを立ち去ったAshfaq師は、「安全を保証されたので任務を引き受けたが、2度と同モスクで礼拝を行うつもりはない」と語った。

「赤いモスク」の立てこもり事件では、親タリバン(Taliban)派のイスラム教急進派の神学生や、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)と関連するとみられる武装勢力らが1週間以上にわたって施設を占拠。強行突入した治安部隊およびパキスタン軍との戦闘で100人以上が死亡している。(c)AFP/Nasir Jaffry