【7月22日 AFP】情勢不安が続くアフガニスタン南部で19日に、援助活動中のキリスト教会所属の韓国人23人を拉致したイスラム教武装集団タリバン(Taliban)が、22日14時30分(GMT)までに人質と同数のタリバン兵を解放しなければ韓国人を殺害すると警告していることを受け、韓国政府は22日早朝、首都ソウル(Seoul)で緊急会合を開き対策を協議した。

 会合には外相、国防相、国家情報院長および安全保障担当の政府関係者らが出席したが、詳細は明らかにされていない。

 一方、外交通商部の趙重杓(チョ・ジュンピョ、Cho Jung-Pyo)第1次官が率いる緊急対策チームは、人質解放への陣頭指揮に当たるため同日、アフガニスタンの首都カブール(Kabul)に入り、アフガニスタン政府当局者と会談する。

 関係者によると、韓国政府はタリバンが求めているとされるタリバン兵らの釈放に慎重な姿勢で臨んでいる。ある韓国政府関係者は22日、聯合ニュース(Yonhap news)に「タリバンが拘束中の仲間の釈放を求めているとの報道がされているが、メディアだけを全面的に信用するわけにはいかない。各方面とのチャンネルを通じ、タリバン兵らの解放要求が本当にタリバンの司令部から発せられたものなのか事実確認を行っている」と語った。

 タリバンは韓国軍のアフガニスタンからの撤退も要求しているとされるが、韓国政府は21日、予定通り年末までに陸軍の技術者および医療関係者200人を撤退させると発表している。

 盧武鉉(ノ・ムヒョン、Roh Moo Hyun)韓国大統領は、拉致された韓国人全員が援助活動をしていたことを強調し、犯行グループに対し即時解放を求めている。(c)AFP