【7月21日 AFP】18日にアフガニスタン南部でドイツ人2人を拉致し、ドイツおよびアフガニスタン政府に交渉を要求していたイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)は21日、交渉は失敗に終わったとして拉致したドイツ人を2人とも殺害したことを明らかにした。

 これに先立ち、タリバンのYousuf Ahmadi広報官は同日、電話でAFPに対し「われわれは拉致したドイツ人のうち1人を殺害した。午後1時(0830GMT)までにドイツ政府またはアフガニスタン政府がわれわれに連絡してこない場合は、もう1人も殺す」と警告していた。ただし電話の内容を確認する情報はほかになく、またタリバン側も確実な証拠を示していなかった。

 同広報担当はその後、AFPに対し電話で「いずれの政府からも連絡がなかったため、午後1時10分(0840GMT)に2人目のドイツ人を殺害した」と述べた。

 タリバンはドイツ政府がアフガニスタンに派遣し、北大西洋条約機構(NATO)指揮下で活動している同国兵士3000人を撤退させなければ2人を殺害すると警告していた。タリバンは同日正午(0730GMT)までにアフガニスタンで拘束されている全てのタリバン兵の釈放も要求していた。

 ドイツ人2人は18日、ワルダク(Wardak)州でアフガニスタン人5人と共に拉致された。被害者の身元は明らかにされていないが、技術者だという情報がある。

 19日に南部ガズニ(Ghazni)州で拉致した韓国人18人については、同広報担当は電話で、対応を決めていないと述べた。報道によると、タリバンは平和維持部隊としてアフガニスタンに派遣されている韓国軍の即時撤退も要求しており、拉致した韓国人18人の殺害もほのめかしているという。(c)AFP