【7月19日 AFP】パキスタンのペルベズ・ムシャラフ(Pervez Musharraf)大統領は18日、パキスタンは現在、国内で相次ぐ自爆テロの背後にいるイスラム武装勢力との戦闘状態にあると語った。一方、非常事態を宣言する可能性については否定した。

■モスク強行突入から頻発する暴力行為

 ムシャラフ大統領による同発言を前に、アフガニスタン国境付近の部族地域では銃撃戦が発生、34人が死亡。また、前日には首都イスラマバード(Islamabad)での反政府集会で自爆テロが起こり、17人が死亡している。

 地元メディアとムシャラフ大統領の会合に同席していた政府高官の話によると、同大統領は「われわれは、過激派勢力との直接対決に入った。これは穏健派と過激派との戦いだ」と述べたという。

 イスラム過激派の取り締まり強化をめぐって米政府から強い圧力を受けているムシャラフ大統領は、政府軍部隊が前週イスラマバードの赤いモスク(Red Mosque)に強行突入して以来急増する暴力行為に関与した者を取り締まると約束した。

 一方、1999年のクーデターで権力を掌握した同大統領は「非常事態にはならない」と明言。さらに、遅くとも2008年初頭に予定されている選挙の開催が暴力行為によって頓挫することはないと付け加えた。

■米情報機関の報告書に苦言

 米国の情報機関は17日、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)がパキスタン北西部の部族地域にある「安全な隠れ場」に再結集しており、米国に対する新たな攻撃を計画していると警告した。

 これに対し、パキスタンの外務省報道官は、米国の報告書には「根拠のない主張」が含まれているとして、米政府の主張を裏付ける証拠の提示を求めた。(c)AFP/Danny Kemp