【7月13日 AFP】米中央情報局(CIA)は11日、『Al-Qaeda Better Positioned to Strike the West(西側に対する攻撃態勢を強化するアルカイダ)』と題した報告書の中で、国際テロ組織アルカイダの勢力がパキスタンとイラクで一層拡大し、世界的に過激主義の土壌が育ちつつある、との見方を示した。2001年9月11日以降、米国内ではジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領が宣言してきた「テロとの戦い」での勝利を疑問視する声が、さらに高まっている。

■「アルカイダ」を名乗る新しいテログループが

 報告書は、「アルカイダ指導者オサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者は、アフガニスタンとパキスタンの国境近く、両国政府の力が及ばない場所に身を隠している。一方で、互いに緩やかな連携関係しか持たないテログループが各地で多数出現している」と指摘する。

「アルジェリア、ソマリア、フィリピンなどで誕生したそれらのテログループは、自ら『アルカイダ支部』を名乗っている。世界的武装勢力の『トレードマーク』を利用するのが彼らの狙いである」とも説明。

■活発化するパキスタンでの活動への懸念

 また、「ビンラディン容疑者のテロネットワークは、パキスタン北西部の部族居住地に広がり、そこでテロリスト養成とテロ攻撃計画を行っているとみられる」との見方を示した。

 同日、下院軍事委員会の公聴会に臨んだCIAのジョン・クリンゲン(John Kringen)情報局長も、アルカイダおよびイスラム原理主義勢力タリバン(Taliban)が、テロリスト養成や資金調達、通信などに適したパキスタン北西部の「安全地帯に定住」しているとみられると述べた。

 同報告書について、国土安全保障省マイケル・チャートフ(Michael Chertoff)長官は、機密文書の内容について発言は控えるとしながらも、アルカイダの活動が世界中で活発化している事態に繰り返し懸念を示した。(c)AFP/Jitendra Joshi