【7月13日 AFP】(7月13日一部更新)イスラム教スンニ派武装グループ「ファタハ・イスラム(Fatah al-Islam)」がレバノン北部のナハル・アルバレド(Nahr al-Bared)パレスチナ難民キャンプに立てこもっている事件で、13日、政府軍の総攻撃中に同軍兵士6人が死亡、少なくとも30人が負傷した。軍当局が同日発表した。総攻撃は開始から2日目を迎えている。

 5月20日以来、同キャンプを占拠するファタハ・イスラムに対し、政府軍は12日早朝から激しい砲撃を加え、難民キャンプ上空には黒煙が立ち上った。現場の軍高官は「ファタハ・イスラムの戦闘員は軍への投降を拒否している。この攻撃は武装勢力に対する最後の戦闘の第1段階だ」と語った。

 医療関係者の証言では、キャンプ南部の戦闘で銃撃により政府軍兵士1人が死亡、2人が急襲で死亡したという。残り3人の死因は不明。また、少なくとも兵士30人が負傷したほか、キャンプ付近を歩いていた市民1人が銃撃戦に巻き込まれて死亡した。戦闘開始以来の死者は、政府軍兵士92人、ファタハ・イスラムの戦闘員少なくとも68人を含む181人に達した。

 戦闘が続くキャンプ南部には飲料水や食糧の欠乏にもかかわらず、数百人が退去せず暮らし続けているとみられている。

 AFPの特派員によると、キャンプ南部および東部で、レバノン軍の精鋭部隊と武装グループの銃撃戦が行われている。

 政府軍による総攻撃開始に先立ち、パレスチナ人戦闘員を中心に残留難民150人以上がキャンプから退去した。その後、政府軍は攻撃に備えて夜間に部隊を増強した。

 12日は、2006年のイスラエル軍によるレバノン進攻開始から丸1年だった。イスラエル軍とレバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラ(Hezbollah)間の戦闘では、レバノン側だけで1200人が死亡している。(c)AFP