【7月12日 AFP】パキスタンの首都イスラマバード(Islamabad)のモスク(イスラム教礼拝所)にイスラム教急進派神学生らが立てこもった事件で、軍の完全制圧から一夜明けた12日、生存者の捜索と現場検証を進める当局は、モスク内にあると予測されていた遺体の埋葬場所を発見していないと発表した。

 通称「赤いモスク(Red Mosque)」に立てこもった急進派を率いていたイスラム教強硬派の指導者、故アブドル・ラシド・ガジ(Abdul Rashid Ghazi)師は治安部隊との戦闘で射殺される前、女性を含む数百人の遺体がモスク内に埋葬されていると述べていた。

 一方、治安部隊らは、1人の切断された頭部を発見した。Tariq Azeem情報相によると、掃討作戦中に自爆があったものとみられる。

 爆発物が仕込まれた未使用の自爆攻撃用のベルトも発見されている。

 戦闘終了から一夜明けた現場を他の政府高官らと共に訪れた同情報相は、「赤いモスク」施設内からAFPの電話取材に対し、「内部で埋葬現場は見つかっていない。墓地が1つ見つかったが、古いものだった」 と答えた。また、モスク内にはたくさんの壕が築かれていたといい、「その様子は本物の要塞のようだった」という。

 情報相によると前日までに明らかになった死者に加え、12日早朝に新たに2人の遺体が見つかった。モスク掃討作戦による死者は、立てこもった抵抗勢力側の戦闘員73人、パキスタン軍兵士9人となった。(c)AFP