【7月12日 AFP】パレスチナ解放機構(Palestine Liberation OrganisationPLO)関係者の話によると、レバノン政府軍とイスラム教スンニ派武装グループ「ファタハ・イスラム(Fatah al-Islam)」の戦闘が続く同国北部トリポリ(Tripoli)近郊のナハル・アルバレド(Nahr al-Bared)難民キャンプから11日、150人以上が避難した。

 避難者の大半を占めるのは、5月20日から同キャンプでレバノン軍との戦闘を続けているファタハ・イスラムとは無関係のパレスチナ人武装勢力で、約140人が軍用車両で政府軍兵舎に移動したという。

 難民救援活動団体によると、パレスチナ難民と見られる女性約20人も同日、バスで避難し、難民の大半を収容する近くのバダウィ(Beddawi)難民キャンプに到着したという。

 だが、同団体の話では、ファタハ・イスラムメンバーの家族である子ども45人と女性20人を避難させる試みは失敗に終わっている。現場に居合わせた記者によると、救急車が2度にわたりキャンプ内に入ったものの、数時間後、レバノン政府軍側による新たな砲撃が行われる中、1人も救出せずにキャンプを去ったという。

 ここ数日間、ベイルート(Beirut)市内の各紙は「政府軍はナハル・アルバレド難民キャンプへ突入寸前で、現在キャンプ内に潜伏しているファタハ・イスラムに対する最後の猛攻撃を行っている」と報じている。(c)AFP/Nicolas Tohme