【7月11日 AFP】フィリピン南部のバシラン(Basilan)島で11日、誘拐されたイタリア人宣教師を捜索していたフィリピン軍海兵隊部隊をイスラム武装勢力が襲撃。8時間に及んだ銃撃戦の末、同海兵隊隊員14人が殺害された。うち10人の遺体が首を切り落とされた状態で発見された。

 部隊を襲撃したのは反政府組織モロ・イスラム解放戦線(Moro Islamic Liberation FrontMILF)と国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系のイスラム原理主義勢力アブサヤフ(Abu Sayyaf)による300人規模の合同勢力。

 フィリピン海兵隊のAriel Caculitan中佐によると、武装勢力と海兵隊部隊は10日、同島Tipo-Tipo付近で8時間に及ぶ戦闘を行った。海兵隊員のうち10人は当初行方不明とされていたが、バシラン島当局が全員の遺体を発見した時には、首を切り落とされた状態だった。遺体は軍に引き渡された。これまでに明らかになった海兵隊側の死亡者は14人、負傷者は9人となった。

 情報筋によると、誘拐されたローマ・カトリック教会のイタリア人宣教師ジャンカルロ・ボッシ(Giancarlo Bossi)司祭(57)は、MILFが展開しているとされる同地域内に拘束されている。11日に襲撃を受けたフィリピン海兵隊部隊約80人は、捜索のために同地域に派遣され、10日早朝にバシラン島に到着。その後アブサヤフに援護されたMILF戦闘員約300人と激しい戦闘を行ったという。(c)AFP