【6月15日 AFP】パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長の内閣解散宣言で、首相職を事実上解任されたイスマイル・ハニヤ(Ismail Haniya)首相は15日未明、議長の判断は「尚早だ」と述べるとともに、ガザ地区内のファタハ(Fatah)の主要拠点を制圧したイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が、単独でガザ地区(Gaza Strip)に国家宣言を行う可能性を否定した。

 ハニヤ首相はテレビ放映された演説で、「ガザ地区は不可分のパレスチナの領土の一部で、地区住民はパレスチナの市民だ。パレスチナを分割することがありえない以上、ガザ地区単独での国家宣言もありえない」と発言。また、アッバス議長の内閣解散について、「これまで(ハマスとファタハの間で)合意したすべての事を覆す早まった判断」だと語った。

 さらに、前週から続く両派の武力衝突の原因はファタハ支持者にあると非難。「ファタハ支持者が、政治的忠誠心のために、市民を殺害するなどの犯罪を行っている。市民らを誘拐し、処刑した例もある」と述べた。

 一方で、衝突が激化したことからガザ地区での活動を見合わせている外国人や国際機関に対しては、「必要なだけの配慮と安全の保障をする。われわれは自由と人権を尊重する姿勢を貫く」と約束した。(c)AFP