【6月12日 AFP】ニジェール川デルタ地帯の石油資源をめぐって抗争を続けているナイジェリアの武装グループは11日、身柄を拘束していた外国人の人質全員を解放すると発表した。

 ニジェール・デルタ解放運動(Movement for the Emancipation of the Niger DeltaMEND)は声明文の中で人質10人の名前を挙げ、同日中に人質を解放し地元指導者らに引き渡す予定だと述べた。

 声明文は、Godswill Tamuno氏とAlaebi Oyinye氏の署名があり、ナイジェリア・イア(Ijaw)族のリーダー2人を即座に無条件で解放するよう求めている。グループが解放を要求している2人は、分離主義活動家のムジャヒド・ドクボ・アサリ(Mujahid Dokubo Asari)氏と元バイエルサ(Bayelsa)州知事のアラミェイェセイガ(Diepreye Alamieseigha)氏。

 人質は人道的理由により解放するものの、もし「ウマル・ヤラドゥア(Umaru Yar’Adua)大統領率いる新政府が前大統領と同様に同武装グループとの約束に背く」ようであれば、「さらなる交戦をいとわない」としている。

 MENDはさらに石油会社のシェル(Shell)に対して「バイエルサ州の先住民に、環境汚染の賠償金として15億ドル(約1820億円)を支払うべきだ」とし、さらに「イア族の土地とニジェール・デルタ地帯の即時無条件の非武装化」を要求した。

 業界筋によると、署名にあったTamuro氏という人物は、今年初めにフィリピン人船員24人を拘束していた指揮官の1人だという。

 治安当局筋によると、人質の解放はまだ確認していないという。バイエルサ州のJulian Okpaleke警察所長は、同日中にコメントを発表すると述べた。(c)AFP