【6月9日 AFP】イラク・クルド人自治区のマスード・バルザニ(Massoud Barzani)自治政府議長は7日、同自治政府がトルコのクルド人武装組織に対し、断固とした措置を取るなら、同自治政府との対話に応じるとのトルコ政府による提案は受け入れないと決定した。

 トルコ政府によると、イラクのクルド人自治区には、トルコのクルド人独立国家を目指す武装組織「クルド労働者党(Kurdistan Workers'PartyPKK)」が拠点を置き、PKKはここで武器などを調達、国境を越え、トルコ側を攻撃しているという。

 バルザニ議長は、同じくクルド人のジャラル・タラバニ(Jalal Talabani)イラク大統領との共同記者会見で、「PKKについて提示された条件は受け入れない。トルコ政府が対話の道を選び、それが確認できれば、我々はトルコと歩調を合わせると繰り返し述べてきた」とした上で、「トルコ政府の目的が戦争ならば、我々にそのような条件を受け入れる用意はない」との姿勢を示した。

 PKKはトルコ政府および国際社会の大部分からテロ組織と見なされているが、1984年以来、クルド人が多いトルコ南東部の独立を目指してトルコ国内で武装闘争を展開してきた。同組織の活動による犠牲者は、これまでに3万7000人以上に上るとされている。(c)AFP