【5月24日 AFP】レバノン政府は23日、パレスチナ人難民キャンプ内に立てこもっているイスラム教スンニ派武装グループ「ファタハ・イスラム(Fatah al-Islam)」の戦闘員に対し降伏を要求、要求に応じない場合は強硬手段を取るとし、最後通告を言い渡した。

 政府軍とファタハ・イスラムの激しい武力衝突は3日目に突入しており、エリアス・ムル(Elias Murr)国防相は衛星テレビ局アルアラビーヤ(Al-Arabiya)でのインタビューで「政府軍はファタハ・イスラムと交渉しない。選択肢は2つだけで、ファタハ・イスラムが降伏するか、われわれが軍事行動を起こすかだ」と明言した。

 ムル国防相は「政府軍は軍事的準備を完了している」と述べたが、期限については言及しなかった。

 一方、治安当局によると、ドルーズ派イスラム教徒が多数を占めるベイルート(Beirut)東方の町Aleyで23日夜、爆発があり5人が負傷したもよう。

 これは過去4日間でベイルート(Beirut)で起きた3件目の爆発事件となった。1度目はキリスト教徒居住地区アシュラフィエ(Ashrafiyeh)で、2度目はスンニ派イスラム教徒が多数を占めるベルダン(Verdun)で発生した。ファタハ・イスラムが過去2件の爆発事件について犯行声明を出していたが、後に撤回している。

 また北部トリポリ(Tripoli)では同日、追い詰められたファタハ・イスラムの戦闘員が治安維持部隊に向け手りゅう弾を投げようとした際に射殺されている。(c)AFP/Nayla Razzouk