【5月23日 AFP】北部トリポリ(Tripoli)のナハル・アルバリード(Nahr al-Bared)難民キャンプ付近で発生したイスラム教スンニ派武装グループ「ファタハ・イスラム(Fatah al-Islam)」とレバノン治安部隊の戦闘が3日目に突入した22日、大量のパレスチナ難民が避難を開始した。

■停戦表明後の戦闘が停止時を利用して

 キャンプに住むパレスチナ難民らは、同日「ファタハ・イスラム」が一方的に停戦を表明した数時間後、戦闘が停止されている間を捉えて避難を開始した。ナハル・アルバリード難民キャンプには、3万1000人のパレスチナ難民が住んでいたと見られる。

 パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ(Fatah)の関係者によると、数千人の難民が近くのBeddawi難民キャンプへ徒歩または車で避難を始めたという。

■国連スタッフに死者、支援物資の輸送にも支障が

 一方、国連パレスチナ難民救済事業機関(UN Relief and Works Agency for Palestine Refugees in the Near East、UNRWA)によると、停戦後、ナハル・アルバリード難民キャンプへの運ぶ支援物資を積載した国連の車列が攻撃を受け、パレスチナ難民2人が死亡した。

 援助部隊は、食料、医薬品の積み荷を降ろして直ちに難民キャンプを後にしたが、給水車は攻撃で破損したため水を提供することはできなかったという。

 UNRWAは、23日も同キャンプへ支援物資の運搬を試みるという。