【5月23日 AFP】イスラエル政府は22日、前日のイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)戦闘員によるロケット弾攻撃で女性1人が死亡したことを受け、同組織指導者らに対する報復攻撃を表明した。

 前日、南部スデロト(Sderot)でロケット弾が車に直撃し、乗っていた35歳の女性が死亡。イスラエルに対するこの攻撃にハマスの軍事部門が犯行声明を出している。

 イスラエル軍はハマス指導者らに対し2度の警告を発し、新たに空爆を実施。ハマス戦闘員の拠点とされていた廃ビルを攻撃し、9人が軽傷を負った。

 エフライム・スネフ(Ephraim Sneh)副国防相は国営ラジオで「ハマス司令官および指導者の誰1人として攻撃から逃れられる者はいない」と警告。「ハマスの政治部門がロケット弾攻撃を承認しているが、イスラエル国家の破壊を宣言するものは政治家ではなく、スーツを着たテロリストだ」と主張した。

 一方、パレスチナのマフムード・アッバス(Mahmud Abbas)自治政府議長は、派閥抗争の停戦についての協議のためガザ地区(Gaza Strip)に到着した。

 当局筋によると、アッバス議長は自身のPLO主流派ファタハ(Fatah)とイスマイル・ハニヤ(Ismail Haniya)首相のハマスの間で行なわれている武力衝突の終結に向け、3日間持ちこたえている停戦を確実のものとするために同首相との会談を行なった。

 同地区では、この派閥抗争により50人以上が死亡、脆弱な統一政府は揺さぶられ内戦勃発の危機に瀕していた。(c)AFP/Sakher Abu El Oun