【5月23日 AFP】政府軍と交戦を続けるイスラム教スンニ派武装グループ「ファタハ・イスラム(Fatah al-Islam)」は22日、一方的に停戦を表明した。ナハル・アルバリード(Nahr al-Bared)難民キャンプで発生した武力衝突は3日目に突入していた。

 戦闘が一時中断される中、ファタハ・イスラム側から停戦が発表された。同組織のAbu Sali Taha広報官は、停戦は順守されるとしているが、政府軍からの砲撃が再開された場合、「当面は様子を見るが、長く続く場合は応戦する」と警告。

 これに対しレバノン政府は「テロ現象の鎮圧」を宣言。政府軍は、第2の都市トリポリ(Tripoli)付近の同難民キャンプに潜伏する戦闘員による攻撃に対し応戦を続けると表明した。

 政府軍報道官は「われわれは当初から停戦(のルール)を順守しており、いかなる合意についても発表する準備はできていない」と述べた。

 一方、同組織の一掃を目指す政府軍の一斉砲撃などにより、難民キャンプは戦場と化しており、戦闘に巻き込まれた一般市民に対する懸念が拡大している。交戦が一時中断され、国連(UN)代表団の車両は同難民キャンプ入りし、人道危機緩和に向け食糧、医療品、発電機などの緊急援助物資を配給した。(c)AFP/Ramzi Haidar