W杯事故で脚を失ったスキーヤーがFISを提訴へ
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【10月28日 AFP】オーストリアのアルペンスキーヤー、マティアス・ランジンガー(Matthias Lanzinger)が、アルペンスキーW杯での悲惨な事故の賠償を求め、国際スキー連盟(Federation Internationale de Ski、FIS)を訴える予定であることがわかった。3月にノルウェーで行われたW杯での事故で左脚を失ったランジンガーの弁護士が、27日に明らかにした。
ランジンガーの弁護士は、ミュンヘン(Munich)の外科医による搬送の際に納得のしがたい遅れがあり、さらには搬送されたオスロ(Oslo)市内の病院の医師による処置が十分なものではなかったのを突き止めたことを受け、ランジンガーがFISに対し賠償を求める方針を決めたとしている。
ランジンガーは、3月2日にノルウェーのクビートフィエル(Kvitfjell)で行われたアルペンスキーW杯2007-08男子スーパー大回転第6戦で脳振とうを起こして転倒し、左脚を骨折した。
オスロ市内の病院へと搬送され、長時間にわたる2度の手術を受けたランジンガーは治療のため人為的に昏睡(こんすい)状態に置かれたが、ランジンガーの血管には深刻な問題が起こり、医師は左足と左足首の血液循環の回復に務めた。
高速レースでバランスを崩してポールに頭をぶつけ意識を失ったランジンガーは、そのまま転倒し、脚をからだの下に巻き込んだ状態で安全ネットまで滑り落ちていった。(c)AFP