【12月11日 AFP】11-12フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルは10日、カナダのケベックシティー(Quebec City)にあるパビリオン・ド・ラ・ジュネス(Pavillon de la Jeunesse)で行われ、男子はカナダのパトリック・チャン(Patrick Chan)が、女子はイタリアのカロリーナ・コストナー(Carolina Kostner)が優勝した。

 ショートプログラム(SP)で首位に立っていたチャンは、4回転トーループの着氷が乱れ、3回転ルッツでは転倒したものの、フリースケーティング(FS)で173.67点を記録し、合計260.30点でGPファイナル連覇を果たした。

 2位には合計249.12点で高橋大輔(Daisuke Takahashi)が入った。前日のSPで5位と出遅れていた高橋は、4回転トーループで手をついた以外は安定した演技を披露し、FSで2位となる172.63点を記録した。

 スペイン人選手では初めてとなるGPファイナル出場を果たしたハビエル・フェルナンデス(Javier Fernandez)は、4回転トーループと4回転サルコーを決めたものの、その他のジャンプが安定せず、合計247.55点で3位に入り、羽生結弦(Yuzuru Hanyu)は合計245.82で4位だった。

 女子シングルは、フリースケーティング(FS)で121.05点を記録したイタリアのカロリーナ・コストナー(Carolina Kostner)が、合計187.48点で初優勝を果たした。

 フィギュアスケート欧州選手権(ISU European Figure Skating Championships)を3度制しているコストナーは、銀色のボディースーツ形の衣装で演技に臨み、3回転ジャンプ6回中3回が不安定だったものの、2位に5点以上の差をつけていた前日のSPでのリードを守った。

 これまでローラーコースターに例えられるほど調子の差が激しかったコストナーだが、数年後に引退することを計算しながら残りのキャリアを楽しみながら滑るという考え方が功を奏し、今シーズンは一貫して好調を維持していた。

 鈴木明子(Akiko Suzuki)は、コストナーより難易度の高いジャンプを披露したものの、3度の着氷ミスで優勝に届かず、合計179.76点で2位に入った。2003年に摂食障害になり、一時は選手生命が脅かされた鈴木だが、復活した2008年以降から成績を徐々に上げていた。

 3位には合計176.42点でロシアのアリーナ・レオノワ(Alena Leonova)が入り、シニア転向1年目でGPシリーズ2勝を挙げたロシアの期待の14歳エリザベータ・トゥクタミシェワ(Elizaveta Tuktamysheva)は、SPでの出遅れが響き合計174.51点の4位に、前回覇者のアリッサ・シズニー(Alissa CzisnyLaurie Nealin)は合計156.97点で5位に終わった。

 一方ペアでは、ドイツのアリオナ・サフチェンコ(Aliona Savchenko)/ロビン・ショルコウィー(Robin Szolkowy)組が合計212.26点で優勝した。2位には合計212.08点でロシアのタチアナ・ボロソジャー(Tatiana Volosozhar)/マキシム・トランコフ(Maxim Trankov)組が、3位には合計187.77点でロシアの川口悠子(Yuko Kawaguchi)/アレクサンドル・スミルノフ(Alexander Smirnov)組が入った。

 また、日本の高橋成美(Narumi Takahashi)/マービン・トラン(Mervin Tran)組は合計164.42点で6位に終わっている。(c)AFP