【4月29日 AFP】(一部更新)2011世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2011)第4日は28日、モスクワで男子シングル・フリースケーティング(FS)が行われ、前日のショートプログラム(SP)で1位につけたパトリック・チャン(Patrick Chan、カナダ)が187.96点を記録し、歴代世界最高得点となる合計280.98点で初優勝を果たした。

 SPで歴代世界最高得点の93.02点を記録したチャンはFSでも、アンドリュー・ロイド・ウェバー(Andrew Lloyd Webber)作曲の『ファンタジア(Phantasia)』に乗せて4回転ジャンプを2回成功させるなど、歴代世界最高得点を更新。2年連続2位に終わっていた世界選手権で、ついに表彰台の真ん中に立った。

 チャンは「(SPを終えて)大きくリードしているのだから4回転を2つ入れる必要はないと言う人もいたけれど、どうしてもやりたかった。練習を積んできていたし、しなければならないとも感じていた」と振り返った。

 2位には、258.41点で日本の小塚崇彦(Takahiko Kozuka)が、3位には合計241.86点でロシアのアルトゥール・ガチンスキー(Artur Gachinski)が入った。

 小塚はSPで6位と出遅れたが、フランツ・リスト(Franz Liszt)の『ピアノ協奏曲第1番』に合わせて演技したFSでは4回転ジャンプ1回、8度の3回転ジャンプなどを決め、2位となる180.79点を記録。見事、表彰台をつかんだ。「日本に良いニュースを持って帰る必要があった。この銀メダルでそれができる。リンクに出て演技に心を込めたら、結果がついてきた」と、小塚は語っている。

 前回覇者の高橋大輔(Daisuke Takahashi、日本)は、スケート靴のトラブルに見舞われ、修理のため演技を数分間中断するなどして、合計232.97点の5位に終わった。高橋は、「靴のビスが緩んだ。毎晩チェックしていたけれど、僕のミス。最初のジャンプができなくて、もうメダルは無理だろうと思っていたから、もう1度リンクに出たときにはとても落ち着いていた」と振り返った。

 SP2位の織田信成(Nobunari Oda、日本)は合計232.50点で6位だった。(c)AFP/Emmeline Moore