【2月23日 AFP】2010年バンクーバー冬季五輪、フィギュアスケート女子シングルに出場する鈴木明子(Akiko Suzuki)は、摂食障害の苦難を乗り越えてたどり着いた夢舞台(五輪)のすべての瞬間を満喫している。

 鈴木は日本女子フィギュア界期待の若手選手の1人だったが、摂食障害のため一時は選手生命が脅かされた。

 しかし、鈴木は24歳でついに元世界女王の浅田真央(Mao Asada、19)や安藤美姫(Miki Ando、22)とともに五輪に初出場する。

 病気で2003-04シーズンを棒に振っている鈴木は「しばらく体調が優れず、1年間競技に出ることができなかった。復帰した当初は今日この場にいることを想像できなかった。一歩ずつ進んできた。支えてくれる人がいたのでわたしは今日ここにいる。すべての出来事は、自分が今ここにいるためにあったんだと思っています」と話している。

 荒川静香(Shizuka Arakawa)さんの2004年の世界選手権(ISU World Figure Skating Championships)制覇を見て刺激を受けた鈴木は、荒川さんの活躍が復帰の道をたどる力になったと明かした。

 荒川さんは24歳で出場したトリノ五輪で日本人選手として同競技で初の金メダルを獲得しており、鈴木は「コーチと五輪を見ていて、荒川さんが金メダルを獲得したときは歓声を上げた」と語っている。

 鈴木は2009ー10シーズン、GPシリーズ第3戦の中国杯(Cup of China 2009)で優勝するなど自己最高のシーズンを送っている。全日本選手権では浅田に次ぐ2位で初の表彰台入りを果たし、四大陸選手権(ISU Four Continents Figure Skating Championships 2010)でも浅田に次いで2位に入っている。

 鈴木は「1日に何度かは『五輪って素晴らしい!』とつぶやいてしまう。ほかの選手とも親しくなり、これはこの場だけでなく今後の人生にとっても大きいと思う。今回はわたしにとって最初の五輪であり、とても緊張していると同時にここにいることに感動している。大きな期待と希望を抱いている」と語った。

 女子シングルは23日にショートプログラム(SP)が、25日にフリースケーティング(FS)が行われる。(c)AFP/Emmeline Moore