【2月11日 AFP】2010年バンクーバー冬季五輪に出場するフィギュアスケートの男子日本代表が10日に会見し、メダル争いは接戦になるとコメントした。

 10日に米国からバンクーバー入りした織田信成(Nobunari Oda)は、「男子はトップ10の力が拮抗(きっこう)しているので、一つのミスが順位を大きく変える可能性がある」と語っている。

 09-10シーズンはGPシリーズで2勝し、GPシリーズ・ファイナル(Figure Skating Grand Prix Series Final 2009-10)ではエヴァン・ライサチェク(Evan Lysacek、米国)に次ぐ2位に入った22歳の織田は、「トップ10スケーターは全員が手ごわいライバル」と付け加えている。

 ひざの負傷から復帰し、全日本選手権では織田を抑えて優勝した高橋大輔(Daisuke Takahashi)は「新しい採点ルールでは勝者を予想するのは不可能」と語っている。

 2002年のソルトレイク五輪で起きた採点スキャンダルを受け、新たに導入された採点システムは従来の6.0点からの減点法ではなく、各エレメント(要素)で採点された得点の合計点で競われる方式となった。

 07世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2007)で銀メダルを獲得した高橋は、すでにバンクーバーで10日間練習を行っており、「金メダルを争う選手の一人」としてライサチェクの名前を口にしている。

 16日に開幕する男子シングルでは、トリノ五輪に続く五輪連覇を夢見て引退を撤回したエフゲニー・プルシェンコ(Yevgeny Plushenko、ロシア)が金メダルの最有力候補と見なされている。

 10月に行われたGPシリーズ第2戦ロシア杯(2009 Cup of Russia)ではプルシェンコに次ぐ2位に入った20歳の小塚崇彦(Takahiko Kozuka)は「練習では常にクリーンなスケートを目指してやってきた。なのでいつものようにやりたい。結果は審判に任せる」と語っている。

 フィギュアスケートで日本男子は五輪でメダルを獲得したことはないが、女子ではトリノ五輪で荒川静香(Shizuka Arakawa)がアジア人選手として初めて同種目の金メダルに輝いている。

 日本勢は五輪では4回転ジャンプがメダル獲得の鍵になると認めており、トリノ五輪銀メダリストのステファン・ランビエール(Stephane Lambiel、スイス)、パトリック・チャン(Patrick Chan、カナダ)、ブライアン・ジュベール(Brian Joubert、フランス)らも同様の見解を示している。

 高橋は「プルシェンコをはじめ、すべてのトップスケーターが4回転を組み込むことは分かっている。4回転の着地をイメージしてトレーニングしてきた。もし(4回転を)やらなかったら、これまでのシーズンでやってきたことが無駄になる」とコメントしている。(c)AFP/Shigemi Sato