【9月13日 AFP】女子テニスのアンナ・チャクベターゼ(Anna Chakvetadze、ロシア)は12日、慢性的な背中の故障を理由に26歳で現役を引退することを発表した。

 元世界ランク5位のチャクベターゼは、2007年の全米オープン(The US Open Tennis Championships)で4強入りを果たして注目を集めたが、同年に強盗に襲われた。

 チャクベターゼはスポーツ・エキスプレス(Sport Express)紙に対し、「これ以上、自分がプロテニス界で戦えるとは思えません。キャリアは終えたと宣言する準備ができました」と語っている。

「当然これは難しい決断でしたし、熟考しましたが、今ようやく決心することができました。私にとってテニス界への復帰はもはや過去のものと実感しました」

 さらに引退の理由についてチャクベターゼは、「慢性化した背中の故障を抱えています。ですから、辞めて新たな人生を歩む決断を下しました」と説明している。

 10年間の選手生活でチャクベターゼは賞金総額390万ドルを稼ぎ、WTAツアーのシングルスでは8勝している。2007年シーズンは全米オープンで準決勝まで勝ち進み、ロシア代表として国別対抗戦フェドカップ(Fed Cup)優勝に貢献した。

 2007年の世界ランキングで自己最高位を記録したチャクベターゼだったが、それ以降は下降の一途を辿り、現在は577位まで低迷していた。

 不振の原因は全盛期だった2007年12月に起きた強盗被害によるトラウマが影響したと見られており、当時、チャクベターゼと父親は自宅に押し入った強盗に襲われ、現金30万ドルを奪われた。

「あの事件以降の私のシーズンは完全にぼろぼろでした。犯人は悪い時期に強盗に入ったのです。あれは確かに私のキャリアに影響を及ぼしています」と、チャクベターゼは皮肉を込めて当時を振り返っている。

 しかし、チャクベターゼはトラウマによって「物事をより深く見るようになった」とも話している。

「事件が発生した時、私たちはもう終わりだと思いました。それでも私たちは生き延びました」

 両親は現在も被害にあった自宅に住んでおり、犯人はまだ見つかっていないことも取材で語っている。(c)AFP