【6月27日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2013)の女子シングルスに出場している第2シードのビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka、ベラルーシ)が26日、右膝のけがにより大会を棄権した。

 今年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2013)を制しているアザレンカは、2回戦でイタリアのフラビア・ペネッタ(Flavia Pennetta)と対戦する予定だったが、試合開始直前になって棄権を表明した。

 その後の記者会見でアザレンカは、オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(All England Lawn Tennis and Croquet Club)のコート状態が選手の安全性を守るものではないと批判している。

 24日に行われた1回戦でポルトガルのマリア・ジョアン・ケレル(Maria Joao Koehler)に勝利しているアザレンカだったが、試合中に泣いてしまうほど激しく転倒し、10分間の治療を受けていた。その後のMRI検査の結果、右膝の負傷を理由に棄権を余儀なくされた。

 アザレンカが転倒したのは第1コートの試合中で、そのコートでは同日行われた男子シングルスで第5シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が、世界ランク135位のスティーブ・ダルシ(Steve Darcis、ベルギー)に敗れている。

 ナダルに勝ったダルシも、その試合で転倒して肩を負傷しており、26日に棄権した。

 1回戦を振り返ったアザレンカは、「あの日はコートの状態があまり良くなかった。対戦相手も2回転倒したし、私の転び方はひどかった。私たちの試合後も転倒者が出ていた」と指摘している。

「コートそのものか、天候の影響なのかは私にはわからない。クラブの人か、コートを管理する誰かが精査して原因を突き止めてくれたらうれしいわ。同じことが起こらないためにもね」

「事態を改善するために尽くせる手は何もなかった。ウィンブルドンから棄権するという代償を払わされるような過ちは一切犯していない」

 ウィンブルドンでは昨年まで2大会連続で4強入りを果たしているアザレンカは、今回の出来事に苛立ちを感じ、落胆していると話している。

「こんなに無念なことはない。ウィンブルドンほど楽しみにしていた大会はないし、ここで戦うことが大好き。それがただ不運だったってだけでプレーできないなんて、本当に悔しい」

「この苛立ちをコートや、ほかのどこにもぶつけることはできない。これは私の手に負えない問題であって、将来的に何とかしてもらえたらいいと思う」

 ウィンブルドン終了後に現在世界ランク3位のマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)に同2位の座を明け渡すことが決まっているアザレンカは、全米オープン(The US Open Tennis Championships)開幕を6週間後に控え、戦列復帰の見通しについて明言を避けている。

 しかし、会見でグラスコートが最大の脅威だったのではとの質問を受けたアザレンカは、持ち前のユーモアセンスを発揮することも忘れなかった。

「最も怖いのは高い所よ。グラスコートでもほかの何でもない。あとクモね」

(c)AFP/Dave JAMES