【11月2日 AFP】女子テニス選手のマルチナ・ヒンギス(Martina Hingis、スイス)が1日、ウィンブルドン選手権2007(The Championships Wimbledon 2007)でコカインの陽性反応が検出されたことを明らかにし、現役引退を発表した。

 1997年に16歳6ヶ月で史上最年少の世界ランキング1位を獲得するなど、四大大会で全豪オープン(Australian Open tennis tournament)3連覇を含む5度の優勝を誇る同選手は、踵と脚の怪我に悩まされて2003年に引退を表明していたが、2006年に現役復帰を果たし、これまでに3勝を挙げていた。

 会見で「私が(陽性反応が検出されたことを)公表した理由は、反ドーピング当局と争いたくないからです」と語ったヒンギスは「陽性反応が検出されたけれど、これまで薬物に手を出したことはないし、100パーセント無実です」と薬物使用を否定し、「自分の年齢と健康問題のため現役を引退することを決めました」と自身2度目の現役引退を表明した。

 ヒンギスは腰の怪我の影響で10月に早くも自身の2007年シーズンを終わらせていたものの、復帰を明言していた。2006年は7位で終わった世界ランクは、10月29日現在で19位としている。

 ヒンギスの会見を受けてWTAのラリー・スコット(Larry Scott)チーフ・エグゼクティブは、「WTAツアーはマルチナ・ヒンギスが記者会見で述べたドーピングテストでの陽性反応の結果について何一つ公式な情報を受けておらず、これについてコメントを出せる状況ではありません」と会見での声明に対し困惑しつつも、「しかしながら、反ドーピングにおいては証明がなされるまで全てのプレーヤーが無実とみなすことを覚えておかなくてはなりません。マルチナ・ヒンギスは非常に素晴らしいチャンピオンであり、世界中にファンを持つ人気選手です。現役復帰においても、彼女がもう一度非常に高いレベルの試合でプレーできることを証明しました。マルチナはこれからも尊敬に値する人物でしょう」と同選手のこれまでの功績を称えた。

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