【8月29日 AFP】全米オープン・テニス2007(the US Open Tennis Championships 2007)、女子シングルス1回戦。大会第16シードのマルチナ・ヒンギス(Martina Hingis、スイス)は、フランスのマチルド・ヨハンソン(Mathilde Johansson)と対戦。ヒンギスはセットカウント2-0(6-3、6-0)でヨハンソンを降し2回戦進出を決めた。

 ヒンギスは、全米オープン優勝の見込みが少ないと知りつつも、「ゲームが進化しているのだから、現在の方が良い選手だと考えなければいけないと思う。多分、今は経験が生きてると思うわ。ただ、若かった頃は今よりも回復が早く、あの頃は本当によく試合に出ていたけれど、もうあれ程はできない。自分にも今はもうあの時とは違うということを言聞かせなくちゃならないと思っている」と語り、4大大会で3冠を達成した1997年時よりも今日の自分のほうが良いテニスプレーヤーだと考えている。

 2006年の全米オープンでは2回戦敗退で終わっている同選手だが「失うものは何も無いです。どの試合も大事だし、どの勝利も大切です。トーナメントでは勝つだけ、調子を上げていくだけ」と抱負を語った。

 9月には27度目の誕生日を迎えるヒンギスは、1997年の全仏オープン・テニス(French Open)決勝ではクロアチアのイヴァ・マヨリ(Iva Majoli)に敗れ、グランドスラムを逃している。「支配してた試合が突然手の中から滑り落ちた。あれが私を変えたもの一つだと思う。いくつもの事が思うように運んでいたけれど、たまに上手くいかない事もあった。何かのバランスをとるようにね。でも、今はリラックスできているの。時々感じるのは、その試合が昨日のことのようであったり、遠い昔の事であったように感じる時もあるという事。すっきりとした目覚めを迎えたときには、自分がいつまでもツアーにいるような気もするの。あれ(3冠達成)から10年。引退もしたけれど、去年はよい形でカムバックも果たせた。がむしゃらにベストを尽くそうと頑張ったし、誰も私からテニスは奪えませんから。進化し続け、成長しなければならいんです」と語った。

 また、現在活躍している10代の選手を見て感じることとして「いくら自分が全盛期を過ぎたと言っても、新鮮に思うことや渇望することがある。年をとると物事の優先事項が変わり、人生まで違うように見えてくるの。毎日6時間の練習をしていたような日々が良かった時もあったけど、今は逆にコート外での時間を1分も無駄にしたくないと思っているわ。それでも戦えるからね。楽しいですよ。今日の試合は本当に良かったです。出来ればこのままトーナメントを勝ち上がりたいですね」と2回戦のフランスのポーリン・パーメンティア(Pauline Parmentier)戦に向けて準備を整えている。

(c)AFP/Jim Slater