【6月10日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2013)は9日、男子シングルス決勝が行われ、大会第3シードのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は6-3、6-2、6-3で第4シードのダビド・フェレール(David Ferrer、スペイン)を下し、大会通算8度目の優勝を飾った。

 キャリア42度目の四大大会(グランドスラム)で初の決勝進出となった31歳の同胞フェレールに勝利したナダルが、通算12個目のグランドスラムタイトルを獲得し、史上初となるメジャー同一大会8勝目を達成した。

 27歳のナダルは、全仏オープンでの通算成績を60戦59勝としている。

 勝利に向けて順調に試合を運んでいたナダルだったが、試合が行われたコート・フィリップ・シャトリエ(Court Philippe-Chatrier)では一瞬心臓が凍るようなハプニングがあった。

 最近フランス国内で物議をかもしている同性婚合法化法に反対する抗議者が、上半身裸で発煙筒を持って観客席からコートに侵入した。

 侵入した男は警備員によって取り押さえられたが、第2セット、ゲームカウント5-1でナダルがサーブに入る準備をしていたところで、男はわずか数メートルの距離まで接近した。

 すぐさまナダルの護衛に駆け付けた警備員の背後にはVIP席があり、そこでは五輪の陸上競技で短距離6冠を誇るウサイン・ボルト(Usain Bolt)、俳優のレオナルド・ディカプリオ(Leonardo DiCaprio)が観戦していた。

 そんなハプニングも結果には何ら影響を及ぼすことなく、2月におよそ7か月間の離脱から復帰したナダルが今季7度目の大会制覇を果たしている。

 フェレールとの直接対決では今季4勝目を挙げて8連勝としたナダルは試合後、「家族やチームのみんなに感謝している。離脱していた時は特にそうだったけど、みんなの支えがなかったら優勝は不可能だった」と振り返った。

「ツイッター(Twitter)やフェイスブック(Facebook)にメッセージをくれた皆さんもありがとう。皆さんのメッセージが今日の僕に前向きなエネルギーをくれました」

 このところずっと四大大会のタイトルを独占しているナダル、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)、ノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)、アンディ・マレー(Andy Murray、英国)の4強を切り崩すべく決勝まで上り詰めたフェレールは、試合後にこう語った。

「ここでの2週間を満喫した。ラファ(ナダルの愛称)を祝福するし、彼が1番だ」

「ただ、またグランドスラムで決勝を戦って、優勝できるように全力を尽くす。今大会は私にとって非常に特別な大会となった」

(c)AFP/Dave James