【1月13日 AFP】全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2013)開幕を14日に控え、男子シングルスではノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic)が大会3連覇へ挑戦することに注目が集まっている。

 躍進著しいライバルのアンディ・マレー(Andy Murray)や、偉大なるロジャー・フェデラー(Roger Federer)がいる中、ジョコビッチは史上最大の挑戦に臨むことになる。

 2005年以降のグランドスラム(四大大会)のタイトルは、ファン・マルティン・デルポトロ(Juan Martin Del Potro)を除けばジョコビッチ、フェデラー、マレー、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal)の4人が独占している。

 しかしながらジョコビッチは、4人の地位を脅かす選手は他にもたくさんいるとの見解を示した。

 ジョコビッチは、「僕たち3人と、今回欠場するナダルがグランドスラムの優勝候補だと考えている人が大勢いるけれど、デルポトロ、ジョーウィルフリード・ツォンガ(Jo-Wilfried Tsonga)、ダビド・フェレール(David Ferrer)、トマス・ベルディハ(Tomas Berdych)といった、ランキングのトップ10に入る選手は侮れない相手だ」と述べた。

「僕はバーナード・トミック(Bernard Tomic)やグリゴール・ディミトロフ(Grigor Dimitrov)、ミロス・ラオニッチ(Milos Raonic)といった若手選手も台頭してくると思っている。僕を含めた3人が今年のグランドスラムを独占すると予想する人もいるけれど、それではあまりにもつまらないんじゃないかな」

■ジョコビッチのライバル筆頭は躍進著しいマレーか

 しかしながら、全豪3連覇を目指すジョコビッチが優勝候補の筆頭であることは間違いない。

 2012年大会の決勝でジョコビッチと歴史に残る激闘を演じたナダルは、感染症のため今大会を欠場することが決まっている。その試合でジョコビッチとナダルは5時間53分に及ぶ死闘を繰り広げ、決着がついたのは午前1時40分だった。

 そのナダルに代わってジョコビッチのライバルに挙げられているのが、最近急成長を見せるマレーだ。2012年にグランドスラム初優勝を果たしたマレーは、2011年と2012年の全豪オープン準決勝で敗れているジョコビッチへのリベンジに燃えている。

 また、グランドスラム通算17勝と圧倒的な実績を持つ31歳のフェデラーも、タイトルへの意欲はいまだ衰えていない。

 25歳のマレーは、2012年の全米オープン(The US Open Tennis Championships 2012)を制したことで重圧がなくなり、キャリア最高の1年を過ごすための完璧な準備を整えたと語っている。

「グランドスラムに勝てなかったことで、僕はいつも何かを証明しなきゃならないような気持ちになっていた。マスターズの大会で勝った時も、周囲は僕に『次はグランドスラムですね』って聞いてくる。そういうことをもう気にしなくていいんだから、今はすごく楽だよ」

「グランドスラムを気にする必要は無くなった。それが今年の戦いを助けてくれると思う。そうなれば目の前の大会に全力で集中できるからね」

 世界ランク3位のマレーは、2012年大会の準決勝でジョコビッチに敗れているが、試合はフルセットの接戦だった。マレーはその後、ロンドン五輪で金メダルを獲得すると、全米オープンではジョコビッチを破り、1936年のフレッド・ペリー(Fred Perry)氏以来となる、英国人選手によるグランドスラム制覇を果たした。

■前哨戦回避のフェデラー、全豪制覇へ向けて準備万端

 一方、全豪で通算4度の優勝を誇り、今後も男子テニスのトップの座に君臨しようと強い意欲を見せるフェデラーだが、今年は大会に先立って行われた前哨戦をすべて回避している。またフェデラーは、優勝した2010年大会を最後に全豪の決勝まで勝ち進めていない。

 それでもフェデラーは、グランドスラムへ向けた休養を十分にとったことで、肉体的にも精神的にも良好な状態にあると話している。

「今回は意図的に前哨戦を回避した。そのおかげで大会序盤からフレッシュな状態で戦えるはずだし、そのまま勝ち進んでいけると思っている。もちろん優勝を狙っているよ」

「毎年同じように過ごすよりも、ときどき少し変化を加えた方がいい。そうでないとマンネリ化してしまうし、それは絶対にまずいことだ」

 その他の選手では、2012年に最多の公式戦76試合を戦い、ツアー7勝を挙げた第4シードのフェレールが好調ぶりを見せている。12日に行われたハイネケンオープン(Heineken Open 2013)決勝でフェレールは、フィリップ・コールシュライバー(Philipp Kohlschreiber)をストレートで下し、同大会4度目の優勝を飾った。(c)AFP/Robert Smith